vol.3
野生動物と人の境界線を再定義する――データと対話で挑む「共生デザイン」
なぜ今、山里だけでなく都市部でも野生動物とのトラブルが急増しているのでしょうか?
かつて、人と野生動物の間には明確な「境界線」が存在していました。しかし、現在では、温暖化による生態系の変容、過疎化に伴う耕作放棄地の拡大、中山間地域での人口縮小などの複合的な要因が加わり、人と動物の「境界線」が交錯するようになりました。そうして、人と野生動物との軋轢が顕在化しています。私たちはどうすれば、野生動物たちと「適切な距離」を保ち直すことができるのでしょうか。その答えとして、科学の力と対話の技術を融合させた「共生デザイン」が注目されています。
本学部で学ぶのは、単なる「駆除」ではありません。シカやクマといった野生生物の生態を理解し、その行動域や時間帯を予測する――いわば自然のメカニズムを読み解く専門性を養います。その武器となるのが、最先端テクノロジーを駆使した「デジタル・フィールドワーク」です。
AIや自動撮影カメラ、ドローンなどのICT・Iot技術を用いて動物の行動パターンを解析するとともに「GIS(地理情報システム)」を用いて出没状況、被害状況を「可視化」「予測」する。科学的根拠に基づいて「いつどこでどのようなリスクが起こるのか」リスクヘッジを行い、人と野生動物との「やま・さと・まち共生デザイン」を論理的に導き出す。このようなプロセスは、パズルのピースを組み合わせて正解を導き出すような知的興奮に満ちた探求です。
そして、何より重要なのが「社会への実装」です。どれほど優れた方策も、地域に暮らす人々の納得がなければ、それは机上の空論に過ぎません。行政や住民の懐に飛び込み、データを用いながら粘り強く対話を重ね、一つの「合意」を形にしていく。この「技術を使いこなす知性」と「対話を深める人間力」を備えたタフでしなやかな人材が、今の社会に強く求められています。
フィールドで得た一次情報と最新のサイエンスを融合させ、人と野生動物が互いに尊重し合える未来を自らの手でデザインする。現場(フィールド)から世界を変える挑戦に、あなたも参加してみませんか?

